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時間ができると眠れなくなる理由

2025年の10月から12月にかけては、繁忙期でかなり忙しい日が続いていました。

土日は撮影があり6時半に家を出て22時に家に帰る生活。平日はフルタイムで働き、家に帰ってからは編集作業をしているうちに一日が終わり、あっという間に一週間が終わる。朝起きてから夜寝るまで、やらなければいけないことが控えており、常に時間に追われているような感覚で、余裕はなかったと思います。

それでも不思議なことに、夜は布団に入るとすぐ眠れていました。悩みや不安もあったはずなのに、「眠れない」と感じることはほとんどありませんでした。

ところが、繁忙期が終わり、年末を過ぎて少し時間ができた頃から、状況が変わりました。布団に入っても眠気が来ない。時計を見ると、もう2時、3時。時間に追われているわけでもないし、特別な不安があるわけでもないのに、頭だけが冴えている。日中も、なんとなく調子が出ない。夜寝てはいるのに、朝起きても、寝た気がしない。日中もやらなきゃいけないなと思うこと、やりたいことはあるけど、やる気が出ない。

アオラボ

燃え尽きたのかな…


そんな言葉が、ふと浮かびました。

今回は、時間ができると不調になる原因と乗り越え方についてまとめていこうと思います。

目次

忙しい時は元気なのに、時間ができると不調が出る現象

繁忙期のあいだは、多少無理をしていても意外と動けてしまう。夜もぐっすり眠れて、仕事にも集中できる。

それなのに──

忙しさが落ち着き、時間に余裕ができた途端、

  • 布団に入っても眠れない
  • 眠っても浅く、夢ばかり見る
  • なぜかやる気が出ない
  • ぼーっとしてしまう
  • 「燃え尽きたのかな?」という不安がよぎる

そんな状態になることがあります。

特に、デザイナーやビデオグラファーのように責任が重く、判断量が多い仕事をしている人ほど、この感覚に覚えがあるかもしれません。そして多くの人が、ここでこう考えてしまいます。

  • ちゃんと休んだはずなのに、おかしい
  • 前はできていたのに、戻れない
  • 忙しいほうが自分は調子がいいのかもしれない

でも、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。この現象は、珍しいことでも、異常でもありません。そして、メンタルが弱ったサインとも限りません。

むしろこれは、高負荷な仕事を続けてきた人にほど起きやすい、とても「筋の通った反応」です。忙しさが終わったあとに不調が出るのは、「燃え尽きたから」ではなく、これまで感じる余裕がなかったものが、ようやく表に出てきただけ。ここを取り違えると、必要以上に自分を責めたり、回復の流れそのものを妨げてしまいます。

繁忙期に起きているのは「回復」ではなく「感覚の麻痺」

忙しい時期を振り返ると、こんな感覚はなかったでしょうか。

  • 疲れているはずなのに、動けてしまう
  • 布団に入るとすぐ眠れる
  • 深く悩まず巣ごとをこなせる
アオラボ

繁忙期の方が調子よかったかも…

ただ、多くの場合、繁忙期に起きているのは回復ではなく、緊張によって感覚が覆われている状態です。

  • 納期がある
  • 判断を止められない
  • ミスが許されない
  • 他人の期待を背負っている

こうした要因によって、繁忙期は交感神経(いわば戦闘モード)が長時間オンになります。すると脳と体は、「感じるより、動く」「休むより、続ける」という状態を選びます。このとき起きているのは、疲労が消えているのではなく、疲労を感じる余裕がなくなっているということ。

また、繁忙期に眠れるのも、必ずしも良いサインとは限りません。それは「整った睡眠」というより、緊張が切れた反動で落ちるように眠っている状態であることが多いからです。いわば、休んでいるのではなく一時的にシャットダウンしているに近い眠りです。

アオラボ

眠るというより、気絶するというような感じかな?

繁忙期の状態
  • 交感神経(戦闘モード)が強くON
  • アドレナリン・コルチゾールが高い
  • 「考える余地」が少ない
  • 布団に入ると気絶に近い眠り

👉 これは回復していたのではなく、疲労を感じない状態

時間ができた時の状態
  • 外的プレッシャーが減った
  • 緊張がゆるむ
  • 抑えていた疲労・感情が浮上
  • 自律神経の切り替えが不安定

👉 結果として

  • 夜に頭が冴える
  • 眠りが浅い
  • やる気が出ない

これは「燃え尽きた」のではなく、「感じられるようになった」状態。

この間、脳は判断や責任、緊張をきちんと整理する余裕を持てません。つまり、繁忙期は「回復していた時期」ではなく「後回しにしていた時期」と言い換えることができます。

本来なら少しずつ処理されるはずだったものが、「終わったらまとめてやろう」と脳の中に積み上げられていく。だからこそ、忙しさが終わった瞬間に、今まで感じなかった違和感や不調が一気に表に出てくるのです。この不調は「燃え尽きた」のではなく、「感じられるようになった」状態ともいうことができます。


時間ができた途端に始まる、脳の“後処理”

繁忙期が終わり、少し時間に余裕ができるとこんな不調が起きてきました。

  • ちゃんと休んだはずなのに、眠れない
  • 夜になると頭が冴えてしまう
  • 仕事の夢や、失敗する夢を見る
  • ぼんやりして、集中できない

これらは一見すると、「回復できていない」「調子が悪くなった」ように見えます。ですが、実際に起きているのはその逆です。脳が「今なら処理できる」と判断し、後回しにしていた作業を始めている状態です。

繁忙期のあいだ、脳は常に、

  • 判断を重ね
  • 緊張を維持し
  • 責任を背負い
  • 自分の基準を守り続ける

という高負荷な状態にありました。

このとき、それらを一つずつ振り返ったり、終わらせたりする余裕はありません。そのため脳は、

「今は走り切ることを優先しよう」

「整理は、終わってからやろう」

と、処理を先送りにします。

忙しさが落ち着き、身体が回復し、外からのプレッシャーが減ると、脳はようやく「安全な時間に入った」と判断します。すると、

  • 未完了だった判断
  • 解放されなかった緊張
  • 背負い続けていた責任
  • 抑え込んでいた感情

こうしたものが、無意識のレベルで整理され始めます。これが、いわば脳の“後処理”です。

後処理とは?

ここで言う「後処理」は、
何かを反省したり、考え直したりしている、という意味ではありません。

むしろ脳がやっているのは、
「あの時の判断や緊張が、本当に危険ではなかったかを確認すること」
に近いと思っています。

繁忙期には、

・判断を止めずに進み続ける
・緊張を保ったまま走る
・感じるより先に動く
という状態が続きます。

その間に溜まった、

・繁忙期に繰り返した無数の判断
・張り詰めたまま解放されなかった緊張
・「失敗できない」という前提で背負い続けた責任
・その場では感じないようにしていた不安や怖さ
・自分の中の「この仕事はこうありたい」という基準

このような抑えたまま感情を、あとから一度なぞって、
「ちゃんと問題なかった」と確認している。

それが、ここで言う“後処理”です。

この後処理は、本人の意識とは関係なく進みます。その結果として、

  • 寝つきが悪くなる
  • 夢が増える
  • ぼーっとする時間が増える

といった形で、間接的に表に現れることがあります。

重要なのは、これが「燃え尽きたサイン」ではないということ。むしろ、これまで止まれなかった人が、ようやく止まれたからこそ起きている反応です。この段階で無理に元のペースに戻そうとすると、脳は後処理を中断させられ、違和感が長引きやすくなります。

やる気が出ない理由も同じ構造

繁忙期は

  • 目の前のタスク
  • 締切
  • 必要とされている感覚

が、やる気を外から供給してくれていました。

今は

  • 外圧が減った
  • 内側のエネルギー(回復)が追いついていない

なので
👉 やる気が出ないのは自然です。

これは怠けではなく、
身体が「今は回復を優先したい」と判断しているサインです。

責任の重い仕事ほど、回復はあとからやってくる

それが、判断・責任・やり直しのきかない仕事は、あとから不調が出やすいことがあります。

  • 正解が一つではない
  • 判断を常に求められる
  • 失敗すると取り返しがつかない
  • 成果物が評価に直結する

このような仕事では、「終わったら終わり」になりにくいです。

たとえ案件が完了しても、脳の中では、

  • 本当にこれでよかったか
  • 見落としはなかったか
  • 自分の基準は守れたか

といった確認が、静かに続いています。

脳の後処理の特徴

脳の後処理は、本人の意識とは関係なく進みます。
そのため、「分かった」「納得した」という実感は、ほとんどありません。

代わりに起きるのは、
・以前ほど緊張しなくなる
・同じ仕事を思い出しても身体が反応しなくなる
・夢や違和感が、気づいたら減っている
といった、静かな変化です。

身体的な疲労は、休めば比較的早く回復します。ですが、このような仕事で消耗するのは、体力よりもむしろ、

  • 判断の連続
  • 緊張の持続
  • 責任を背負う感覚

といった神経と脳の負荷です。そしてこの負荷は、「止まった瞬間」に初めて表に出てきます。

だからこそ、責任の重い仕事をしている人ほど、

  • 繁忙期は走れてしまう
  • その最中は不調を感じにくい
  • 終わったあとに、反動が来る

という順番になりやすい。これは意志の弱さでも、向いていないサインでもありません。

むしろ、きちんと責任を引き受けて仕事をしてきた人ほど、回復があとからやってくるのです。ここで大切なのは、この反動を「問題」として消そうとするのではなく、前提として扱うことです。

不調をなくすのではなく、「回復と共存する」という考え方

ここまで読んで、「じゃあ、この不調をどうにか消さなきゃいけないのか」と感じた人もいるかもしれません。

でも、ここで少し視点を変えてみてください。忙しい仕事を長く続けている人にとって、不調は“排除するもの”ではありません。むしろ、前提として織り込むものです。

高負荷な仕事をしている限り、

  • 繁忙期があり
  • その反動があり
  • 少し調子が落ちる時期が来る

この流れ自体を完全になくすことは、現実的ではありません。

それなのに、

  • いつも同じ調子でいよう
  • 早く元に戻さなきゃ
  • 不調が出るのは失敗だ

と考えてしまうと、回復の途中にある自分を必要以上に追い詰めてしまいます。


ここで必要なのは、「不調をゼロにする」ことではなく、

回復が挟まる前提で、仕事と付き合う

という発想です。

不調は、燃え尽きたサインではなく、調整が行われているサイン

この見方に切り替えるだけで、

  • 焦って戻そうとしなくなる
  • 自分を責めなくなる
  • 回復の流れを邪魔しなくなる

という変化が起きます。

長く続けている人たちは、無意識のうちにこれをやっています。

  • 少し落ちる時期があることを知っている
  • 「今は回復側だな」と判断できる
  • その時期に無理な決断をしない

だから、一時的に調子が落ちても、全体としては安定している

回復と共存する、というのは何か特別なことをする、という意味ではありません。

  • 早く治そうとしない
  • 不調を評価材料にしない
  • 今の状態に名前をつけてあげる

それだけでも、回復はずっとスムーズになります。

忙しさの波がある仕事を、どう続けていくか

今回の一連のことを通して、自分の中でいくつかはっきりした気づきがありました。

まず一つは、忙しい時期に元気に動けている=疲れていない、ではなかったということです。

繁忙期のあいだは、「大丈夫」「まだいける」と思いながら走っていました。実際、体も動いていたし、眠れてもいました。でも今振り返ると、疲労がなかったわけではなく、感じないようにしていただけだったのだと思います。

緊張感や責任の重さも、意識の外に押しやっていた。感じてしまうと止まりそうだったから、見ないようにして進んでいた。それが、忙しさが終わったあとに、少しずつ表に出てきた。今回の不調は、その延長線上にあった気がします。

もう一つ、大きく変わったのは考え方です。時間ができると、「この先のために何かしないと」「今のうちに整えておかないと」と、自然と焦る気持ちが出てきました。休んでいるはずなのに、頭のどこかでずっと先を見ている。でも今回、眠れなさや違和感と向き合う中で、まずは回復すること自体が大事な仕事なんだと考えるようになりました。

将来のために動く前に、今の状態を無視しない。この順番を間違えると、結局どこかで無理が出る。そんな当たり前のことを、ようやく実感として理解した気がします。


正直に言えば、これからどうするのが正解か、明確な答えが出たわけではありません。

ただ一つ言えるのは、この仕事には波があるという前提を、ちゃんと引き受けようと思った、ということです。調子がいい時期と、少し落ちる時期がある。走る時期と、立ち止まる時期がある。それを「問題」として消そうとするのではなく、最初から織り込んだ働き方を考えていく

今回の経験は、そのスタートラインに立った出来事だったように感じています。忙しさが終わったあとに感じた違和感は、失敗でも後退でもなく、「続けるために立ち止まった」感覚に近いのかもしれません。

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この記事を書いた人

アオラボのアバター アオラボ WEBデザイナー / 動画編集者

デザイン・動画編集の実務視点でMacBook AirとMacBook Proの作業体感を検証しています。Adobe Illustrator / Premiere Pro を中心に、「どこで限界が来るか」「どこまで快適になるか」を比較しています。

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